栄養学科での学び

管理栄養士には、広い領域で健康な方から病気の方、子どもから高齢者まで、それぞれに合った健康の基となる栄養や食を考える力が必要です。

そのため、栄養学科では、科学的根拠に裏付けられた知識、どの分野にも応用できる実践力、直面した課題を解決する力を身につける教育を行います。

1年次

講義と実験・実習をバランス良く配置し、専門職の基礎を固めます。

管理栄養士に必要な人体や食品、調理などの基礎的な知識を学ぶとともに、それらを実験や実習で体感することで、理解を深めていきます。早い時期から実験や実習を経験することで、食を健康の専門家をしての芽生えを促します。

食品学実験 II

食品学実験 II

日本人が常用する食品中の標準的な栄養素量を示した食品成分表は、栄養学の基盤となるデータベースです。本授業では、食品成分表に収載されている栄養素含有量(水分、たんぱく質、粗脂肪、ミネラル、ビタミン等)をグループ(班)で定量実験します。化学分析の知識や技術の習得だけでなく、食品成分表や誤差要因(偶然誤差、系統誤差)への理解を深めていきます。

調理学実習 I

調理学実習 I

調理操作に伴う食品の物性、嗜好性、栄養成分の変化について理解を深め、管理栄養士の実践活動に必要な食事づくりにかかわる基礎的な調理技術を習得します。

2年次

実験・実習の専門色が濃くなります。給食管理実習もこの時期に行います。

人体や食品、調理に関する実習、実験に加え、栄養教育、公衆栄養、臨床栄養など、より専門的な各種の栄養学を学ぶ時期になります。施設給食を管理することも、管理栄養士が担う大事な仕事であり、大量の調理を行う給食管理の実習にも挑戦します。

生化学実験 I・II

生化学実験 I・II

Iでは、生命現象にかかせない酵素の活性の測定、糖質・脂質の抽出とタンパク質の分離から栄養素の特徴・性質を理解します。IIでは、病態モデル動物を用いて、糖代謝のしくみや、臨床検査値の意義・測定手法・原理を学びます。

給食経営管理実習

給食経営管理実習

これまでの学習を踏まえ、集団を対象とした食事計画、大量調理、施設設備管理、衛生管理など、給食運営と管理を学ぶために、100食規模の給食提供を実習します。家庭用とは大違いの調理器具を使い、管理栄養士班と調理班に分かれ、様々な角度から学びます。また、試食後、献立や調理について意見交換がされ、最終日には学びのまとめをします。

3年次

専門性を肌で学ぶ臨地実習開始。学内での学びと結びつけ、実践力を養います。

管理栄養士としての専門的な講義、実習を受けつつ、臨地実習に臨む時期になります。これまで学んだことと実際の管理栄養士の業務を統合するとともに、自分の将来像をより具体的にしていきます。

栄養教育実習 I・II

栄養教育実習 I・II

Iでは、対象に応じた栄養教育を計画、実施、評価し、必要な基礎的知識・技術を習得します。献立、指導媒体作成も行います。IIでは、カウンセリングや行動科学の理論を活用しながら体験学習を行います。

公衆栄養学臨地実習 I

公衆栄養学臨地実習 I

青森県内または近隣県の保健所や保健センターにおいて、地域住民の生活の質(QOL)向上や健康状態の改善を考えた食や栄養に関する取り組み(妊産婦、乳幼児、成人、高齢者を対象とした健康教育支援、食に関する情報提供などの食環境整備等)を理解し、そこで働く管理栄養士の役割および業務について、学外の実習を通して学びます。

4年次

臨地実習を終え、卒業論文を仕上げた後は国家試験に挑戦です。

臨地実験で実践力を培うとともに、ヒューマンケアと職業倫理について理解を深めます。他学科との合同実習を通じて、多職種連携について学びます。さらに、学びの集大成としての卒業論文を作成する過程で、問題解決能力や科学的・論理的思考を養い、国家試験合格を目指して取り組みます。

ヘルスケアマネジメント実習

ヘルスケアマネジメント実習

4学科混成の1グループ10名程度のグループで、1事例を受け持ち、地域や各関係機関等の訪問によるワークや、事例の検討・計画・評価・発表を通して、他職種連携の中でのヘルスケアマネジメントを学びます。

卒業研究

卒業研究

管理栄養士が栄養の未知の領域を解明し、栄養学をさらに発展させ、人々の健康に繋げるためには、科学的なエビデンス(根拠)を基に研究を進める能力が必要です。そこで、3年後期から4年後期までの1年半、教員の指導も下、研究活動に取り組み、その中で科学的な研究方法を学びながら、研究に重要な企画力、創造力、問題解決能力を養っていきます。