井澤 弘美 准教授

博士(獣医学) 技術士(農業 / 農芸化学)

目次

主な研究内容

  1. 青森県産農産物の機能性表示食品化に関する研究
  2. ビタミンCの体内保持におけるリンゴ摂取の効果に関する研究
  3. プロシアニジン高含有リンゴジュースの開発と機能性評価
  4. リンゴ未熟果でんぷんの特徴と有効利用に関する研究
  5. リンゴ未熟果搾汁残渣を基質とした麹菌の培養に関する研究
  6. 陸奥湾産ホヤ(マボヤ)の含まれる鉄分の生物学的利用能に関する研究
  7. 青森県産農水産物の保健機能食品化に関する研究
  8. ディーゼル排気微粒子(DEP)の生体毒性と食品成分による毒性低減作用に関する研究

ビタミンCの体内保持におけるリンゴ摂取の効果に関する研究

  1. りんごは、他の果物と違ってビタミンCがあまりありません。
  2. 一方、ビタミンCは排泄・消費されやすい栄養素なので、常に摂取する必要があります。
  3. リンゴを食べていると、ビタミンCの体内濃度が高まることが示唆されています。

実は3の研究はほとんど行われていません。そこで現在、ビタミンCを合成できないラットにビタミンCとリンゴジュースを与えて、体内ビタミンCを測定しています。・・・リンゴの意外な効果が発見できるかもしれません。

井澤弘美 研究室 図版1

プロシアニジン高含有リンゴジュースの開発と機能性評価

  1. リンゴにはプロシアニジンというポリフェノールが豊富に含まれています。
  2. プロシアニジンは、生活主管病予防に効果があります。
  3. リンゴを絞ってジュースにすると、プロシアニジンが少ないです。

そこで現在、様々な酵素を使ってプロシアニジン高含有のリンゴジュースの開発を始めました。それとともに、プロシアニジン高含有リンゴジュースは、普通のリンゴジュースよりも、様々な生活習慣病の予防に寄与できるかどうかを試験しています。・・・新しいリンゴジュースが生まれるかも!?

りんご未熟果でんぷんの有効利用

りんご未熟果(いわゆる「実すぐりりんご」)にはでんぷんが多く含まれているにもかかわらず、園地に廃棄されています。この未利用資源といえるりんご未熟果でんぷんを利用して新規加工食品の開発を検討しています。

特に麹菌を使ってリンゴ未熟果でんぷんの糖化に関する研究を進めています。夢は新しい発酵食品の創出です。

井澤弘美 研究室 図版2

陸奥湾産ホヤ(マボヤ)の含まれる鉄分の生物学的利用能に関する研究

ホヤを食べたことがありますか? 三陸産が有名ですが、陸奥湾もホヤの養殖がおこなわれています。

実はホヤには鉄分が多く含まれています。しかも廃棄している殻の部分にも含まれていることがわかりました。ホヤの鉄分の生体への利用効率を実験動物を使って検討しています。

井澤弘美 研究室 図版3

青森県産農産物の保健機能食品化に関する研究

トクホに続く保健機能食品として「機能性表示食品」制度があります。この制度の特徴は、生鮮食品でも届出できることです。青森県ではリンゴがこの制度を利用して、商品の付加価値化を進めています。青森県はリンゴ以外にも、多くの野菜や果物があり、「機能性表示食品」になる可能性がを持つものが多いです。

現在は以下の食材の機能性表示食品化を検討しています。

  1. ホウレンソウ
    ルテインが多く含まれており、眼の健康に効果があります。岩手県や宮城県では 既に機能性表示食品の届出がされています。そこで、青森県産ホウレンソウも機能性表示食品の届出をするための基礎データの収集を県、市町村、生産者と共に取り組んでいます。
  2. ナガイモ
    難消化性でんぷんが多く含まれており、食後の血糖や修正脂肪の増加を抑えることが期待できます。現在、その効果を動物実験で実証中でです。
  3. キクイモ
    イヌリンが多く含まれており、食後の血糖が多く含まれています。公設試験場にて試験栽培しているキクイモのイヌリンを測定し、機能性表示食品化の可能性を検討しています。

DEPの毒性と食品成分による毒性低減作用に関する研究

ディーゼル車から排出される黒いススは、ぜんそくを悪化させるばかりではなく、環境ホルモン様作用があることがマウスの実験でわかってきま した。しかし、食品成分であるポリフェノール類を事前に食べさせたマウ スでは、DEPによる環境ホルモン様作用が軽減していることがカゴメ株式会社との共同研究でわかりました。

井澤弘美 研究室 図版4

※ DEP : Diesel Exhaust Particles ディーゼル排気微粒子

プロフィール

学歴

1994年

弘前大学 農学部 卒業

1996年

弘前大学 大学院 農学研究科 修了

2008年

岐阜大学 大学院 連合獣医学研究科 博士課程 修了

経歴

1999年

青森県立保健大学 健康科学部 助手

2007年

青森県立保健大学 健康科学部 助教

2008年

青森県立保健大学 健康科学部 栄養学科 講師

2017年

青森県立保健大学 健康科学部 栄養学科 准教授

大学院研究室

基礎研究・実用技術領域 食品開発・安全学研究室

researchmap

井澤 弘美(Hiromi Izawa)

高校生へのメッセージ

健康問題に取り組む人になるために青森県立保健大学栄養学科で共に学びませんか。食品や栄養にはまだまだ未知の部分が多いです。未知を探りながら健康問題に一緒に取り組みましょう。

井澤 弘美 准教授
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