修士(地域マネジメント) 管理栄養士
主な研究内容
- 栄養士制度等による社会的評価に関する研究(栄養士法、診療報酬、介護報酬など)
- 給食経営管理システムに関する研究
- 災害時の給食および食支援に関する研究
管理栄養士実務経験者として、その経験を生かした教育に心がけ、皆さんがよりキャリアイメージを描け、その技術がしっかり会得できるよう全力で向きあいます。
日本の管理栄養士制度ってどうなっているの?
- そもそも管理栄養士と栄養士の違いは?
- そもそも他の医療職種と何が違うの?
- そもそも外国には管理栄養士はいるの?
- そもそも諸外国に比べて、日本の待遇は?
- そもそも管理栄養士は、どこで働いているの?
- そもそもそこに必然性、法的根拠はあるの?
- そもそも管理栄養士はどのくらい稼げるの?
医療分野管理栄養士を取り巻く環境に関する一考察 〜診療報酬を中心に〜
はじめに
2000年の改正栄養士法により、管理栄養士の業務に傷病者への栄養管理・ 栄養指導が明確化され、2006年の診療報酬改定では栄養ケアマネジメント概念が導入され、栄養管理実施加算が新設となり、集団から患者個々人への関りの大きな転機となった。さらに栄養管理は入院基本料に包括化され、管理栄養士の配置と業務は確固たるものとなった。
また今年の改正では、栄養指導料がほぼ倍額と改定されるなど社会的評価は高まっている。このような制度の変遷をたどりながら、今後の管理栄養士に求められるニーズや役割を考える。
変遷
医療分野の管理栄養士の技術は、1 適正な食事・ 栄養を提供する技術、2 栄養指導の技術、3 栄養管理の技術であり、それぞれ入院食療養費、栄養指導料、栄養管理料である。
入院時食療養費は、基準給食が1958年に給食料15点/日(今の入院時食事療養費II相応)として新設、基準給食加算5点/日(今の入院時食事療養費I相応)で始まり、 幾多の医療費の引上げ改正があり1994年に給食料143点/日 、基準給食加算が47点/日になり、1994年の食事療養費の創設により、合計の190点をそのまま1,900円に置きかえて始まり、1997年に消費税率の引き上げに伴い1,920円になった。さらに2006年に1日から1食換算となり640円となっている。このほか特別食、医療食、特別管理、選択メニュー、食堂の各加算がある。
栄養指導料は、1981年に5点/回から 始まり1994年に現在の130点/回となり、今年初回260点/回 2回目以降200点/回となっている。他に集団(1994年80 点/回)訪問(2006年530点/回)などの指導料も算定できている。
栄養管理料は、2006年に12点/人から始まり、2012年に入院基本料に包括化された。国では、2010年4月に管理栄養士のチーム医療業務として、1 一般食の内容形態の決定、2 特別食の内容形態の提言、3 栄養指導の判断と実施、4 経腸栄養剤の選択や変更提案ができる専門職として活用を促している。
今後
患者個々人の栄養状態の維持向上と改善に主体的に動いて、多職種と協力しながら患者のQOLの向上に努めることは必須であるが、自施設完結型ではなく、後方支援病院や福祉施設、在宅や地域での関りなど連携を考えることこそが、患者を中心とした医療 管理栄養士の役割であり、そのことが最終目標と考えたい。さらに給食の報酬は厳しくなることが予想され、業務は栄養管理を中心とした適正な食事の提供が求められている。
プロフィール
経歴
資格 : 修士(地域マネジメント) 管理栄養士
多摩調理師専門学校(現東京多摩調理製菓専門学校)教員、その後青森に帰り、特別養護老人ホーム「緑青園」、養護老人ホーム「楓風荘」を経て、1986年4月黒石市国保黒石病院栄養科勤務、栄養科技師長を経て、2009年4月より本学勤務、弘前医療福祉短期大学 非常勤講師
所属学会等
- 日本栄養改善学会
- 日本臨床栄養学会
- 日本病態栄養学会
- 日本給食経営管理学会
- 日本ヒューマンケア科学学会
- 日本栄養学教育学会
- 日本災害食学会
社会活動
公益社団法人 青森県栄養士会 会長 (公益社団法人 青森県栄養士会 公式ホームページ)
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高校生へのメッセージ
管理栄養士は、今、注目され期待されています。人々の願いは常に健やかに生きる社会を求めています。保健・医療・福祉分野はもとより、教育や食品開発まで、管理栄養士は幅広く人々から求められています。そんな国民の願いを叶える天使になってみませんか? 栄養は、身近な問題ですがとても深いのです。特に「人」から見た「栄養」と「食」を考えてみませんか?
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