大学院生インタビュー「栄養学科から大学院へ – 進学者のその後」

本学栄養学科から進学した卒業生に、大学院進学の動機や今現在の様子についてインタビューを行いました。

インタビューの様子は、在校生や卒業生および教員へオンライン配信を行い、活発な質疑応答もありました。また、インタビュー後に教員はオンラインから退出し、進学者と在校生・卒業生同士で大学院生活や現在の仕事の話、子育て中の進学などの話題で交流を深めました。

現在、青森県立保健大学栄養学科から大学院へ進学した卒業生は19名(2024年1月末現在)となっています。進学先は、以下の通りです。

<博士前期課程(修士)への進学>

  • 青森県立保健大学大学院 13名
  • 日本体育大学大学院 1名
  • 大阪市立大学大学院 2名
  • 立命館大学大学院 1名
  • 奈良女子大学大学院 1名
  • お茶の水女子大学大学院 1名

<博士後期課程(博士)への進学>

  • 大阪公立大学大学院 1名
  • 青森県立保健大学大学院 1名

今回、学部から卒後すぐのストレート進学の2名(三浦さん、須長さん)、社会人進学(佐藤さん)、青森県立保健大学大学院修士課程から同大学院博士課程への進学(葛西さん)、大阪市立大学大学院修士課程から大阪公立大学大学院博士課程への進学(佐々木さん)の、計5名にお話を伺いました。

目次

Q1 : 進学を決めた動機は何ですか?

三浦さん :

もともと、大学院へ進学したいという選択肢を持っていました。3年生で卒論ゼミを決定する際に実験が好きであったのもあり、当時の岩井邦久先生(現、弘前大学)のゼミに入りました。岩井先生に大学院についてご相談すると、大学院に進学することも考えて卒論のテーマを決めると良いのでは?、2年間で行う卒業研究の内容を、大学院を含めて4年間とすることで大きな論文になるよとアドバイスを受け、進学を決めました。

須長さん :

より専門的なスポーツ栄養学の知識を学び、学位(修士)を取得したかったからです。また、志望先の研究室が魅力的だったのが大きな理由です。スポーツに管理栄養士として関わりたいという思いがありました。学部4年生の時に、管理栄養士の養成校の教員になるというのも面白いなと思った時期があり、そのためには学位(博士)が必要で、そのためにはまず修士の学位が必要のため、進学をしました。

佐藤さん :

学部卒業時は、大学院進学は特に考えていませんでした。社会人3年目くらいの時に、自分が行ってきた仕事を研究発表や論文という形にしたい、「学会発表ができるようになりたい」と考えるようになりました。患者さんのデータをまとめられるようになりたいと思った時、研究ができるようになればいいのかと思い、社会人7~8年目に独学で統計等の勉強を開始しました。他職種の先輩や栄養士会の先輩管理栄養士へ相談をしましたが、独学で学び・研究するには限界を感じました。金銭面の心配もありましたが、思いっきり学ぶために大学院へ進学したいと思いました。

大学院進学にあたって、「進学先」「資金」「時間」について、まず考えました。進学先は、弘前市から通学できる範囲を考えていました。相談をしていた先輩のほとんどが、弘前大学大学院へ進学していたからです。自分が学びたい研究内容で考えると、保健大学は母校でもあり、繋がりのある先生もいらっしゃったので、保健大学を選びました。次に「資金」についてです。学部生時代の奨学金の返還が終了していなかったため、休職や転職をして進学をすることは厳しいと感じていました。「時間」については、フルタイムで働き、かつ子育てをしながら並行する必要があったため、土日に講義があることが必須でした。ちょうどコロナ禍となり、オンライン対応の青森県立保健大学大学院が条件に合いました。このような状況を、学生時代の指導教員だった吉池先生にメールで相談しました。研究室を訪問でご相談してみると、「勢いでしょ!」と背中を押され、3か月後に控える受験を決意しました。

葛西さん :

同級生が就職先を絞っていく中で、自分が管理栄養士として病院や施設で働くイメージができず、就職までの猶予期間として修士への進学を決めました。実験が好きだったことや、基礎的な研究の重要性に臨地実習で気付いたという経験から、ストレートで博士に進学することも決めました。

佐々木さん :

入学から2年生前期までは将来のことを深く考えることがなく、授業を受けているだけでした。2年生の夏休み、栄養学を学んでいるのであれば、その中で何かを極めたいと思うようになりました。夏休みがあけて2年生の後期ガイダンスの時、今でも鮮明に覚えていますが、乗鞍先生の研究室を訪問して、将来の進路や研究について相談をしました。

Q2 : 試験勉強と対策は?

三浦さん :

英語試験は辞書持ち込み可だったので、自分の卒論に関係する英語論文をひたすら読みました。英単語を覚える意味でも、とにかく読んでいました。また、読んだ論文を短く要約する練習も行っていました。試験前の1ヶ月弱くらいは授業がない時間のほとんどを試験勉強に充てていました。

須長さん :

2点の重要事項がありました。1つは募集要項を十分に確認する、2つ目は、保健大学の先生と大学院進学先の先生へ提出する志望動機や研究計画書などの書類を確認していただくことでした。進学先の大学院は、学部に栄養学科のない大学でした。全く別分野の大学院へ進学することになるため、筆記試験や面接の内容をしっかり確認して対策を練りました。研究計画書は、どのような研究ができるのか、大学院の施設や設備内容が分からないうちに作成しなければならないため、大変苦労しました。ゼミ指導の今先生に確認していただいたこと、進学先の先生への相談、研究室訪問(コロナ禍の時はzoomでのオンラインで)で、指導を受けたことも重要であったと思います。

佐藤さん :

提出書類に研究計画書がありました。最初はひたすら研究計画書の作成を行っていました。独学で統計学や研究計画書の書き方を勉強していたので、その取り組みが役立ちました。大学院入試の過去問対策として、事前に情報収集をしながら、筆記・面接対策を行いました。仕事をしながらの準備は、かなりタイトなスケジュールでした。

葛西さん :

保健大の大学院の場合は、専門科目と英語、面接の試験がありました。専門科目については、大学院の先輩に過去問の傾向を聞きました。英語は大学入試に使用した長文問題の参考書を使用したり、研究と関連する英語論文のアブストラクトだけ読むなどして、英語に慣れることを意識しました。

佐々木さん :

大阪市立大学大学院の試験内容について調べると、専門科目、基礎科目、英語および口述試験・面接でした。過去問を取り寄せ、大阪市立大学の講義で使用している教科書を用いて勉強し、英語論文を読みました。口述試験については、乗鞍先生と研究に関する話題で会話をするようにしました。

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